国宝に指定されている彦根城。堀に囲まれた城壁が昔のまま残っており、1622年当時の天守閣を備えています。
滋賀県彦根市のシンボルである彦根城は、2007年に築城400年を迎えました。その年にイメージキャラクターとして登場した「ひこにゃん」も人気です。
彦根城の歴史・特徴
彦根城は監視のため、丘陵の上に建てられたお城です。築城が始まったのは1603年。彦根城は藩主だった井伊直継が徳川家に命じられ豊臣家や西国大名を監視するための役割を担っていました。
江戸幕府と西国大名は緊張関係にあったためだといわれています。築城にあたり、伊賀や伊勢、尾張など7か国の大名に援助が命じられました。
しかし、徳川家と豊臣家との争いが始まったため、築城が一時中断となり、結局完成したのは1622年のことです。
彦根城は明治まで井伊家が所有していました。明治時代の廃城令により建物の多くがとり壊れましたが、現在も天守や櫓、門などが残っています。
彦根城築城時、天守の工事がなかなか進みませんでした。そのため、当時の慣例と重要文化財して人柱を立てるというものがあり、彦根城も人柱を立てることに。
藩主の井伊直継は反対していましたが、家臣が人柱を立てるように要請し、しぶしぶ直継は受け入れたのでした。若い娘が人柱に名乗りを上げ、無事天守が完成します。
実は直継の指示により、人柱を立てているように見せかけ、娘は無事だったというエピソードが残っています。
国宝に指定された天守は三層四階となっており、同じく国宝の付櫓が接続された複合式となっています。
彦根城は中世と近世の特徴を持った城です。中世の城は山城が中心で、周辺には簡単に侵入できないよう堀が巡らされていました。そのため、彦根城は山の斜面に掘られた空堀を設けています。
近世の城としては、鉄砲を防ぐために天守の壁に栗石を詰めているのが特徴です。栗石という栗と同じくらいの石で、主に石垣で使われています。
彦根城の見どころ
天秤櫓は豊臣秀吉が建てた長浜城大手門を移築したものといわれています。左右対称に櫓が並べられていて、天秤に似ているため名付けられたものです。
これは彦根城だけといわれており、国宝に重要文化財になっています。ここは敵を防ぐ要となっているところです。
国宝である天守の特徴は花頭窓です。花頭窓とは上枠を花形に装飾した窓で、天守の美しさを放つところです。石垣は牛蒡積と呼ばれ、重心が下に向くよう作られ、天守を支えています。
太鼓門櫓は合図のために、太鼓を叩いていたためこの名前がついたようです。本丸表口を固める重要な場所で、彦根寺または佐和山城、長浜城の城門を移築したといわれています。ここも国指定の重要文化財です。
彦根城へのアクセス
JR彦根駅まで下り乗車約5分