彦根城(滋賀県)

彦根城の歴史・特徴

マスコットキャラクター「ひこにゃん」がブレイクしたことで、歴史好き以外の人たちの間でも有名になったのが彦根城です。
いまでは、姫路城と並ぶ日本の城郭を代表する存在と言えます。
現在の滋賀県彦根市、かつての近江国犬上郡彦根の地に建てられた城郭で、江戸時代には井伊氏によって統治された彦根藩の政庁が置かれたお城でもあります。
現在まで天守が残った現存天守のひとつであり、また天守が国宝に指定されている5つの城郭のうちのひとつでもあります。

もともとこの地には、石田三成の居城であった佐和山城がありました。
関ケ原の合戦で勝利した徳川家康は、「徳川四天王」とも呼ばれる井伊直孝をこの地の支配者として任じました。
井伊直政は当初佐和山城に入りましたが、その後、彼の後を継いだ井伊直継の時代に新たな城郭を築くことになりました。

1603年に築城を開始、1606年に第2期の工事と天守が完成、これが彦根城です。
最終的にすべての工事が完成したのは1622年のことです。
この工事は幕府によって他の藩も人員を導入して手伝った「天下普請」であり、いかに大規模な工事であったかがうかがえます。
なお、この工事の際は石田三成の居城だった佐和山城を破却したうえで、その素材を再利用したと考えられています。

明治時代に入って全国の城郭に廃城令が発せられましたが、彦根城は陸軍の施設として利用されることになったため破却を免れ、その後、天守や櫓の保存が行われたたうえで保存されることが決定されました。
その結果、現在まで現存天守として残ることになったのです。
なお、現在ではソメイヨシノが特徴としてよく挙げられますが、これは昭和になってからのことで比較的新しいものです。

彦根城の見どころ

見どころは、なんと言っても国宝に指定されている天守閣でしょう。
3階3重で構成されている天守閣は非常に見栄えのする美しいもので、切妻破風、入母屋破風、唐破風と多様なスタイルを取り入れた外観を重視するものとなっています。
彦根藩を訪れた人は、まずこの天守を見て感動し写真を撮ることになります。

ただ単に外観が美しいだけでなく、軍事的な防御力にも優れていると言われており、天守内部に入るとそうした面をうかがうこともできます。
そんな防御施設としての見どころでは、西の丸の西に立つ西の丸3重櫓と続櫓があります。
西側から迫ってくる敵を想定した櫓であると同時に、琵琶湖を監視する役割も担っており、眺望の良さも魅力です。
さらに本丸の表口を守る役割の彦根城太鼓門と続櫓も、重要な見どころとして挙げられるでしょう。

彦根城へのアクセス

JR琵琶湖線の彦根駅から徒歩15分ほどで、周辺地域は彦根城を中心に観光地として発展している面もあるのでアクセスも良好です。
観光客も快適に過ごせる環境が整っているのも、魅力ではないでしょうか。
名古屋、京都、金沢からのアクセスもよく、全国から連日多くの観光客が訪れています。