1993年に日本初の世界文化遺産となった姫路城。
日本の城郭建築を代表する史跡建築物として評価されました。
姫路城の歴史・特徴
鎌倉時代、赤松貞範が姫路城の基礎となる姫山城を1346年に築きました。戦国時代に入ると豊臣秀吉が織田信長の命令により姫路城を築城します。秀吉により姫路城とともに城下町の発展にも貢献しました。
関ヶ原の戦いのあと城主となった池田輝政は、豊臣家へのけん制のため入場後大改築に着手します。その後、城主となった本多忠政により三の丸、西の丸を増築し今の形になりました。
地方にある城にしては豪華なつくりである姫路城は、豊臣家や西側の大名たちの動きを見張る拠点としての役割を持っていたのです。
姫路城は長い歴史の中で、戦火に巻き込まれず廃城令でも取り壊されずに残された城です。
1931年に国宝に指定され、太平洋戦争でも空襲から免れています。1956年から1964年にかけて大修理が行われ、築城時のままの姿に復元されました。
姫路城はその姿から別名白鷺城とも呼ばれています。天守は五層六階の大天守と小天守が渡櫓(ワタヤグラ)でつながった連立式天守です。
天守はらせん状に縄張が築かれ、その外に中曲輪、外曲輪が築かれています。この形式は江戸城や金沢城にも応用されたものです。
また、石垣は時代によって積み方が異なるため、歴史の移り変わりを見ることができます。
秀吉が築城した当時は自然の石をそのまま積み上げた野面積みです。この石垣は菱の門の外側や三国堀の北側に残っています。
輝政の時代では打込接ぎという、積み石を加工して互いに組み合わせる積み方です。備前丸の城壁がこのつくりになっており、上に上がるほど反りあがり扇状の勾配になっています。
その後の時代も打込接ぎとなっていますが、一部積石を加工し隙間をなくす切込接ぎも西の丸の城壁で見られます。
姫路城の見どころ
多くの城は石造りや煉瓦造なのに対して、姫路城は木造です。建築様式や真っ白な外観も世界でも見ない貴重なものといえます。
白さの秘密は白漆喰総塗籠造(しろしっくいそうぬりごめづくり)と呼ばれる建築手法にあります。土壁の表面に漆喰を塗って仕上げたもので塗籠(ぬりかご)と呼ばれたものです。天守の窓から屋根を見ると瓦の上に漆喰を固めて盛り上がった部分が見えます。
塗籠以外にも細部までデザインされているのが特徴です。破風という三角形の垂直な壁面となっており、姫路城には3種類の破風が巧みに配置され、美しさを演出しています。
その美しさから白鷺城とも呼ばれています。
姫路城へのアクセス
姫路駅北口から神姫バス乗車「大手門前」下車徒歩5分