北陸地方で唯一、当時の天守が保存されている丸岡城。
国の重要文化財の丸岡城は戦国時代に建てられた城です。
今回は丸岡城について紹介します。
丸岡城の歴史・特徴
丸岡城は1576年に一向一揆の備えとして織田信長の家臣である柴田勝家の甥勝豊に築かせました。
外観は二層で、内部は三層の望楼型天守閣です。石垣は野づら積みという古い方式で、すき間は大きいですが水はけがよく大雨により崩れないといわれます。
優美な雰囲気はなく、石落としや狭間など戦に備えたつくりになっているのが特徴です。
勝豊は城下町の整備も行いました。この城下町が丸岡の都市的起源とされています。
勝豊が近江に移り安井家清が城主となりますが、以降は何度も城主が変わりました。
1695年に有馬清純が城主となり、明治維新まで有馬氏が城主となります。
丸岡城には逸話があり、城を攻められた際、大蛇が霞をふき出して城を守ったそうです。
そのことから丸岡城は別名「霞ヶ城」とも呼ばれます。
廃藩置県により廃城となり、天守以外は解体されますが、丸岡町により買い戻され解体は免れます。
昭和9年に国宝の指定を受けますが、昭和23年の福井大震災により天守閣が倒壊してしまいます。
昭和30年に当時の建材を使って再建されました。
戦後、重要文化財の指定を受けます。
日本最古の天守とされてきましたが、天守に使われる木材を調査した結果、1620年頃のものだとわかりました。
文献からも同時期に建設されていたことが明らかにされます。
日本最古の天守というアピールポイントはなくなってしまいましたが、丸岡城の歴史的価値が損なわれるわけではありません。
坂井市は国宝化へ向けて取り組んでいます。
丸岡城の見どころ
丸岡城の内部は外敵に対し、攻撃できるようなつくりになっていて戦国時代の雰囲気が感じられます。
急な階段があり、登り綱を握りながら登ります。特に二階から三階への階段は傾斜が60度もあり、踏み面も奥行きが狭いので登るのは一苦労です。
最上階はふもとから35mの高さがあるため、展望は抜群で丸岡の街並みを一望できます。
丸岡城周辺の霞ヶ城公園は、歴史公園百選に選定された日本式庭園の公園です。
さくら名所100選にも選ばれており、4月に開催される桜まつりでは約400本の桜を見に多くの人でにぎわいます。
旧城郭内にある坂井市丸岡歴史民俗資料館には、城主だった本田氏や有馬氏などの甲冑や古文書などが展示されています。
丸岡城へのアクセス
北陸自動車道丸岡ICから約5分。
JR福井駅前京福バス乗り場から「丸岡線」に乗車し約35分。「丸岡城」停留所下車。