お城の復元について

城の復元の歴史

城の復元をするという働きは今に始まったことではなく、昔から行われています。
しかし城の復元が特に活発に行われていたと言われているのが昭和30年代から40年代前半頃です。

この時代というのは戦時中の空襲を受けて城が失われるといったことが多発しました。
そのため空襲によって失われた城を復元することによって復興のシンボルにしようという動きが多く見られるようになりました。

色んな城の復元が行われましたが、復元が行われた城の中には資料が不足していたことによって他の城を参考に天守が復元されたというケースもあり、全ての城がその時の姿をそのままに復元されているという訳ではないことが分かります。

復元のメリットは?

復元をすると、失われていた建造物の当時の姿に近い姿を五感で体感できるようになるという強みがあります。
その姿を見ることで当時に思いを馳せることもできるようになります。

また、復元の際に設計や施行する家庭の中で地下遺構の発掘調査だけでは見つけることができなかったら新しい発見や、その発見を踏まえて新しい解釈をが生まれるケースもあります。

復元をすると、その復元された構造物というのは注目度も高まりその空間内でランドマーク的な役割を担ってくれます。
そのため視覚の面において核になってくれる効果も期待できます。

復元のデメリット

復元をするということは、その姿をはっきりと形にしてしまうことになります。
実物がなければ各々自身の創造して楽しむことができますが視覚化することでそのイメージが固定化されてしまうという面があります。

また復元する前と復元をしたあとでは史跡の景観が一気に変わってしまいます。
復元が景観に与える影響というのは非常に大きなものであるために、なくなったものを再び作るということは周囲の印象を一気に変えてしまう可能性があることは理解しておかなければいけません。

こういったデメリットも存在していることから、復元が100%プラスの働きをするとは言い切れないのが現状です。

復元の基準

城の復元においては基準が明確化されています。
例えば、復元する建造物の存在や形態の根拠が薄いものや歴史的意義との関りが薄いものと判断されると復元は許容されません。

さらに復元する建造物に関しては位置・規模・形式といったものに根拠があることが求められ制度の高い史料があるものなどといった定義もあります。
そのため簡単に復元を行うということはできません。

復元をするためには存在の正確性が求められるほか、色んな根拠が揃っていなければ復元をする働きをしても復元まで持って行くことができません。
そのため今まで復元がされてきたものは、この条件に当てはまっているものであったということになります。